MAS受講

目的

症状を有する患者への施術と、健常者や自覚症状のない人への施術との間には、全く違いがあることを学び、アロマセラピーを用いて患者の心と体に優しさのあるトリートメントを可能にします。これにより医療現場における我が国のアロマを用いたセラピー・スキルの統一を目指します。

 

受講者について

MAS受講3日間は、1.学会認定コース 2.スクール認定コースの方が一緒に学びます。

 

*学会認定コース: 基礎認定資格を取得された本学会の正会員で、日本国の発行する免許を保持する医師、歯科師及びその他の医療従事者(薬剤師、看護師、助産師、保健師、鍼灸師、柔道整復師、マッサージ師、公認心理師、栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、介護福祉士など)であること。

 

*スクール認定コース:本学会の正会員で、認定団体によるアロマセラピストの資格を保有(最低200時間以上(実技40時間)のカリキュラムを修了)している方を対象とした、2021年度に新設されたコースです。
日本国の発行する免許を保持する医師、歯科師及びその他の医療従事者(薬剤師、看護師、助産師、保健師、鍼灸師、柔道整復師、マッサージ師、公認心理師、栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、介護福祉士など)であること。

 

2つのコースの出身者が一堂に会し共に学ぶことで、各々の職種間でのアロマ情報の共有・交換の場となり、多職種連携のもとに医療現場でのアロマセラピーが可能となります。

※本セミナーは定員制(14名)です。申込が多数の場合は、JSAトリートメントMAS認定取得のために受講される方を優先させていただきます。

MAS講義の特徴

・会場は、看護学校・大学看護学部等の臨床用ベッドで実技を行います。実際の臨床現場と同じベッドで学ぶことで、施術者の姿勢や立ち位置を体感できます。同時に、患者に対し安楽な姿勢の作り方を学び、臨床現場にすぐ応用することができます。

・患者の病状や身体状態を把握し、アセスメントを行った上で、必要なアロマセラピーを選択することを学びます。

・基本的な患者ケアで用いる施術手技を学び、患者に施術する時間的余裕がない時に各部位10分程で行えるアロマトリートメントの手技を学びます。

・下肢の施術では、新たにフットケアと浮腫の専門家からアロマトリートメントの視点を含んだ施術の学びが加わります。

・患者の状態に応じたオーダーメードの施術の考え方を学びます。

・在宅の様々な住環境に対応した施術ができるように、施術者の体位の工夫も含め学びます。

 

 

MAS 3日間の講義内容

施術部位 内容 担当
1日目 背中
うつ伏せ うつ伏せの背中の施術を学ぶ。 所澤 いづみ
側臥位 高齢者、終末期のがん患者、脳血管疾患による片麻痺の患者や病状によりうつ伏せができないときのため、
側臥位の姿勢での背中の施術を学ぶ。施術者はボディメカニクスを利用し、自分の身体に負担の少ない姿勢で施術する方法を学ぶ。
端坐位 うつ伏せ、側臥位の姿勢が安楽でない呼吸器疾患や乳がん患者の背中の施術をする際の、端坐位あるいはベッド上での座位の姿勢による施術を学ぶ。
2日目 上肢
上肢 上肢全体の施術を学ぶ。 所澤 いづみ
拘縮 仰臥位で腹部の施術を学ぶ。
麻痺や拘縮がある患者の関節可動域や手指の動きを観察しながら、関節を丁寧に施術を行う手技を学ぶ。
頭皮・顔・デコルテ
頭皮・顔・デコルテ 頭皮を観察し、頭皮の施術を学ぶ。顔の施術は、表情筋の緊張が強いパーキンソン病、顔面神経麻痺や脳血管疾患による片麻痺などの患者によい。施術の必要性を理解した上で施術を学ぶ。デコルテは、後頭部~頸部~前胸部の鎖骨周囲を含めた施術を行い、頭部全体の緊張を緩めることを学ぶ。
腹部
腹部 仰臥位で腹部の施術を学ぶ。便秘と腹水の患者に対する施術の違いを学ぶ。
3日目 下肢
フットケア フットケアの概要、必要性、足の解剖を理解した上で観察のポイント、足のトラブル対応について説明する。安全に実施する知識と技術を学ぶ。 上野 良子
浮腫(むくみ) アロマトリートメントを行っても良いと考えられる浮腫と避けた方が良いと考えられる浮腫について学ぶ。適正な圧加減、力加減、流す方向、リンパ節付近の施術(主に下肢)を学ぶ。 三好 里恵
仰臥位 仰臥位による下肢の施術を学ぶ。 所澤 いづみ
側臥位 仰臥位の姿勢が辛く、側臥位の姿勢が安楽な患者に対する側臥位での施術を学ぶ。特に、片麻痺や拘縮のある患者の場合は、上肢と同様に、関節可動域の動きや痛みを観察しながら、丁寧に施術を行う。
車いす 車いすに座っている状態での下肢の施術を学ぶ。